NO.109.[ボッティチェリの[春]を求めて]!

ボッティチェリの「春」を求めて!

4月、復活祭間際のフィレンツェのそこここにある教会の祭壇は溢れるほどの花で飾られる。
町の中央に位置する「花の聖母」と呼ばれる大聖堂ドウモは赤褐色の美しい丸屋根が一際目立ち、直系45mの丸屋根が完成したのは、フィレンツェがルネッサンス繁栄の時期を迎えていた頃であった。
この頃ボッテチェリはここで生まれそのほとんどをフィレンツェで過ごした。(1445-1510年)
大聖堂内の狭い階段を上って丸屋根の上に出ると街全体が見渡せる。
サンタクローチェ教会も眼下に見渡せ,1475年この教会の前で盛大な騎馬試合が
催され フィレンツェを支配するメディチ家のジュリアーノは、ボッティチェリの描いた旗印を翻して戦い優勝する!
 
その栄冠は、愛するシモネッタにささげられ この2人の恋の物語は,詩にも書かれた。
ボッティチェリの「春」「ビーナスの誕生」の中央に立つビーナスに「美しきシモネッタ」の面影を見るのは、彼女が若くして病死し,伝説だけが後世に残された為である。
春が描かれて500年程経つが、長い間この絵は汚れ暗くほとんど見えないと言う
評判であった。1981年修復が始まった。
春の画面が黒ずんで汚れていたのは,19世紀初頭修復で使われた粗悪なニスに原因が
あり茶褐色に変身。修復は 細心の注意を払い根気よくゆっくりと洗って、公開されたとき あまりの色鮮やかさに変身した絵を見て 関係者は思わず声を上げたと聞く。
かって世界で最も美しい絵が蘇り、「春」の色を取り戻したのは、人物の足元に咲く花々だった。[春]の野原に咲く500にも上る植物の多くは、フィレンツェ周辺に見られる
草花で ボッティチェリが自分で摘んだ花や弟子たちに摘ませた花を写生し想像の葉花を一部付け足している。
さて,この「春」が掛けられていた別荘がフィレンツェから西へ車で15分程度。
アルノ川を見下ろす中腹のカスロッテの別荘は、かってメディチ家を取り巻く芸術家の
溜まり場であったに違いないが、ここに「春」と「ビーナスの誕生」が飾られていたことで知られている。

春~初夏にかけて、深い木立の中に広がる草地は、白と黄色の花に染められ、温かくなるにしたがってヒナギクやキンポウゲ、紫の小さい花が咲く。さらに、タンポポやヒヤシンス、イチゴ、ニチニチソウなど20種類の「春」のなかの草花が見て取れる。
深い木立のバックに広がる花の野原はそのまま「春」の世界であり、ここにビーナスが
立っていてもおかしくはない。
フィレンツェにこれから旅行される方の多くは、ウフィツィ美術館で作品を鑑賞されると思うが、出来れば時間を取って郊外の田園地帯へ足を運んで欲しい。
フィレンツェと言う意味をかみ締めて「春」を感じたら,花の都/ルネッサンスの都へ
亦、来て欲しい…
 
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