NO.110.Mercate シチリアの市場探検から地中海食文化が見える!

シチリアの市場を旅する!
 

その土地の人が集まる所と言えば、必ず市場に足を運ぶのが基本。
私も間違いなくその土地の市場体験をする!その中でもお薦めの一つが「シチリアの市場」。
パレルモを訪れたら必ず市場に足を向け、庶民の台所を見学するとあらゆる地中海料理の
原点が見えてくる。
クアットロ・カンティやマッシモ劇場等が残る旧市街から一歩裏通りに入ると古いモニュメントが残る狭い通りにぎっしりと屋台が並ぶ。異様な空間の中で飛び交う物売りの声、
狭い市場の中を走り去るスクーター、色とりどりの原色の野菜や果物そして人の群れ。
この市場はいつも騒然として活気があり混沌としているのはアラブのスークを思わせるせい
かもしれない。それもそのはず、シチリアはアラブ統治時代が長く旧市街にはイタリア語と
アラブ語で併記された地区もある。
 

パレルモの市場は、地中海の東西南北から「食」が集まる世界のバザールなのである。
市場の中で屋台を眺めて見るとマグロ、イカ、蛸、鯖、鯵から雲丹や様々な貝類等地中海の
幸が揃っている。亦、シチリア料理に欠かせないいろんなトマトや、ナス、オレンジそして
チーズやスパイスなどが溢れんばかりである。
野菜果物は、色・香り・味 全てにおいて濃厚で、肉屋の店先には、牛・豚・羊・鶏はもちろん
内臓から脳まであらゆる部位が並び度肝を抜かれる!旧市街のマルトラーナ教会から
カルミネ教会にかけての広大な「バッラロ市場」では、このようにありとあらゆる食材が売られ 
狭い迷路のような路地に無数の屋台が連なる光景は、行く度に興奮させられるが、最近、
頓に屋台の数が減ってきている。
かって賑わいを見せていたパレルモ一有名なヴッチリア市場で昔馴染みの
「茹でタコ屋台」や牛の臓器を使った「パニーノ専門屋台」が数件しか残っていないのは
残念である。
パレルモに限らずシチリアの海辺の町には、こうした市場が必ずあり地中海の食文化を
楽しむことが出来る。
講釈はこのくらいにしてボリューム満点のパニーノ・コン・ミルツァ(牛の脾臓)を是非一度
試して欲しい!