NO.107.[モネを魅了したノルマンディの光の世界]!

86歳でこの世を去るまでクロード・モネは光と水が生み出す世界を追い続けた。
エトルタとルーアン、睡蓮が生まれたジヴェルニーそして彼がノルマンディーに残した
光の絵のような風景。

モネの作品は、風景を描いたものが多い。
それは、彼が過ごした幼少期のル・アーブルの田園風景や美しい海の記憶が影響しているという話があるが、私は繰り返し同じ風景を描いた彼の作風からくるもので何度も描いたイギリス湾に面したエトルタのアモン崖とアヴァル崖と海に尽きると思っている。

モネは、太陽の光が生み出す風景を繰り返し描くことで崖は、天気によって、時間に
よって、そして光によって同じものとは思えぬ姿を、引き出す風景を作り出すことにより
『ぼんやりしたあいまいで美しい光』を生み出したといっていいと思う。
モネが旅した場所には常に光が生み出す『印象】があった。

彼の友人であるブータンの影響を受け、彼が最初に触れたノルマンディーの風景は港町
ル・アーブル「印象日の出」でスタートする。(世界遺産に登録2005年)

彼にとって終焉の地となるジヴェルュニーと言う楽園は、光が生み出す風景の素晴らしさから『睡蓮』の連作へと没頭し、だんだんと消え行く視力と戦いながら光を追い求めた。
私に言わせれば、光は移ろいやすくその印象を変える中で「印象派」と言うものは、
モネに限っていえば、ノルマンデーそのものの風景でなかったのかなと思っている。
まさに、光はうつろいやすく常にその印象をかえる光のマジシャンと言えるのではないだろうか?