レマルクの小説「凱旋門」の中に出てくる[フーケ」は、青春時代の思い出の場所!
レマルクの小説「凱旋門」の中の「フーケ」は、
青春時代の思い出の場所!
コロナが落ち着かない昨今、海外旅行にも行けず、過去の思い出に浸りパリの
写真集を見ている。青春時代、パリというだけでなんと魅力的に感じたことか。
学生時代に、この街の名前を聞いて様々な思いに心をときめかしたのが懐かしい。
最初にパリを知ったのは「ジャン・ギャバンやベルモンド」(故人)が演じる
モノクロフランス映画だった。
黒光りするブローニング拳銃をトレンチコートのポケットに忍ばせて
石畳の道を歩く姿がとても格好良く、自分もあんな風に歩きたいと
思ったものだ。パリの決定的なイメージは、フランス映画レマルクの
「凱旋門」からではないだろうか?
パリの細い裏通りにひっそりと身を隠す亡命者・ラビックとジョアンの
絶望的なまで悲しい恋。
ゲシュタポ(ナチ秘密警察)の影に怯えながらもパリの街で会う二人が、
カフェで頼むのが「カルバドス」という酒。
ジョアンが「喉が渇いたわ」というと、「コニャックでも飲もう」
「カルバドスがいいわ」この言葉には正直かっこよさを感じ若者特有の
憧れを持って飲み物やファッションにも気を使っていた時代でもあった。
凱旋門はシャルル・ボワイエとイングリッド・バーグマン主演で
映画化され、この映画を見た観光客がパリでカルバドスを飲むのが
流行したという。
カルバドスというのはリンゴ酒で、一口飲むと口の中が焼けるな強い酒だ。
ラビック達はこんなものを飲んでどうして渇きが癒せるのか当時は、
とても理解出来なかった。
この当時のパリは、19世紀末から20世紀にかけて世界中から文学者や
芸術家がこの街に集まっていた古きよき時代、1946年に発表された
エーリッヒ・レマルクの『凱旋門』の中に出てくる1901年にOpenした
老舗カフェ「フーケ」はあまりにも有名である。
今から60年ほど前、太陽がいっぱいで人気を博したアランドロンや
ジャンポールベルモント(故人)といった俳優さんが2階の奥の
レストランで良く目にしたのを覚えている。
かって神戸本店の風月堂が-FOUQUET’S-をローマ字読みした
ことから屋号を大阪屋から改名したらしい。当時としては、中々の
先人でヨーロッパ通だったのだろう。
レマルクの「凱旋門」で”戦争が終ったらフーケで会おう”と
いったせりふは有名で、赤い日除けテントに金色の文字が石造りの
建物の中でひときわ目立つシャンゼリゼの名所は、フーケ2階のレストラン。
窓側からのシャンゼリゼ、凱旋門のイルミネーションは素晴しく
クリスマスの時期はお勧め。
フランス料理とパリの雰囲気を十分に味わえる絶好の場所である。
コロナウイルスが落ち着いたら、友人たちとフーケで
待ち合わせをして「カルバドス」で乾杯したいものだ。
福岡にも「風月」がある。さしずめ天神のどこか四つ角に
赤い日除けテントに金色のひときわ目立つしゃれた店舗があれば
福岡の名所になると思うのだが・・・。