NO.86.「修道院と鉄仮面」の島を体験
カンヌ映画祭が催されるパレデフェスティヴァル近くの旧港から船が出ている。行き先はレランス諸島「サン・トラノ島とサント・マルグリット島」
「祈りそして働け」の厳しい戒律の元に5世紀サン・トラノ島に修道院が出来、島全体が修道院の私有地で自家製栽培のワインが有名である。波の音を聞きながら島を1周して修道院に併設の売店で1本13ユーロ(2000円程度)のワインが並んで売られている。
他に蜂蜜、ラベンダーのエッセンスなどがあり修道院の貴重な収益の一部だと思われる。俗世間を離れて禁欲的に神に生きる修道士達の生活は午前3:40~始まり暗い朝の起床の鐘を合図に厳格な与えられた仕事にしたがって暮らしている夕方の7:45迄に夕食を済ませ祈って就寝の規則正しい生活は、メタボの私には、勤まりそうもないが、好めたボは、キリスト様のご加護を期待するしかない。お隣のサント・マルグリット島行きの船は、結構込み合っているのは「鉄仮面」が収容されていた牢獄観光のお客さんのようだ。
ここまで来ると全く日本人に出くわすことがない。会話は全てフランス語でチンプンカンプンである。
サント・マルグリット島は、国営で下船した客の全てが島の奥の古い城塞を目指して歩く。世界中で愛読されたアレキサンドル・デュマの小説「鉄仮面」が幽閉された城塞である。
数年前、ハリウッド映画「仮面の男」が話題になったが主人公ルイ14世を演じたレオナルド・デカプリオ主演の娯楽映画をご存知だろうか?
出来の悪い14世が途中で鉄火面にさせられていた双子の優秀な方のルイ14世と入れ替わるドタバタ映画で結構面白かった。
この小説の信憑性は如何なものか判らないがルイ14世の双子の兄弟が鉄の仮面をかぶせられ世間から隔離されこの牢獄に閉じ込められたストーリーを追い求めながらの船旅も中々良いものである。
時間とお金のある方にお薦めする。
■レランス諸島 ILES DE LERINS
サント・マルグリット島とサン・トノラ島からなるレランス諸島は、カンヌの沖合に浮かんでいる。
●「サン・トノラ島」
7つの小さな教会堂と僧院がある。修道院があり、現在でも40名ほどの修道僧が住んでいる。是非土産に購入したいのが、サン・トノラ産のワイン。生産量が少ないのでカンヌ周辺でしか購入できない希少価値が高い物だ。また島のハーブから作るリキュール「レリナ」も人気が高い。4世紀頃島にやってきたとされる聖オノラから伝わる秘法に基づき、僧侶たちが作っている。
●「サント・マルグリット島」
かつては上陸したら2度と去ることのできない牢獄のある島だった。17世紀に鉄仮面を幽閉したことで知られる。
※島へのアクセスは、パレ・デ・フェスティヴァル横の旧港から発着するフェリーを利用。サント・マルグリット島まで15分、サン・トノラ島までさらに15分。船会社は数社あるが、いずれも30分から1時間に1本程度運行。短時間ながら地中海クルーズの雰囲気が楽しめる。