NO19.ウエールズを訪れずして英国を語るなかれ!「中世の宴」
ケルトの血を引くウェールズ人は歌が上手く詩情豊かだと聞いた。
何時間か車を走らせているとそれはすぐに納得できる。
伸びやかな緑の丘の連なり、そして羊の群れ。
雨に洗われた緑は、ドキッとするほどきれいで、雲間から光が射せばそこから神曲が聞こえてきそうな気さえする。
深い陰影を讃えた北方の海もどこか懐かしい。
こんな土地で想像力を育てないでいるのはとても難しい。おそらくルイス・キャロルもそうに違いない。
「不思議の国のアリス」がモデルになった女に子と其の家族が北ウェールズのスランドゥドノーで夏休みを過ごしたホテル「ゴガート・アベィホテル」は旅行者をアフターヌーンティーと共に迎えてくれる。
ホテルの反対側の海沿いは、長いプロムナードが伸び、お洒落なリゾート地でニースを髣髴させる。考えてみればニースを愛し発展させたのもイギリス人。こちらが本家本元と言うべきかも知れない。
古城もウェールズの魅力のひとつ。シェークスピアの舞台になりそうな城がそこそこにあり「中世の宴」など催して楽しませてくれる。
カーディフ城では得意の喉に、時には客をからかいながらの愉快なエンタティナーが楽しませてくれる。もちろんウエールズの歴史を面白おかしく語り時に歌いながら客を盛り上げる。
メニューは、飲み放題のワインの他味わい深いウエールズ料理!
蜂蜜のお酒、木の器に盛られた素朴な料理の数々。
大きな食卓を囲んでの宴会だからワインをまわしたり、サラダを分け合ったりするうちに隣同士が友人になる。
中世そのまま衣装を身に着けた女性達の透き通るような柔らかな
ソプラノをハープのメロディにのせる頃、客達はほろ酔い気分で帰る時間を忘れ中世に遊ぶことができる。
飲みすぎても彼女のお土産は忘れないように!特に、このカーデフ城前のお店で愛の告白を意味する「ラブスプーン」はいいかも!