NO.128.印象派を訪ねる列車の旅「モネの風景を訪ねて・・・」

印象派を訪ねる列車の旅「モネの風景を訪ねて・・・」 
Paris(Gare St-Lazare->La Havre
モネが描いたサン・ラザール駅~


列車の到着「サン・ラザール駅」

パリのセーヌ河畔のオルセー美術館は、オルレアン鉄道の終着駅として1900年に建てられた
建物を利用しているが、ここの1室に印象派画家モネが描いた「サンラザール駅」(1877年)
がある。
駅舎の中をブルーの煙を吐きながら駅に入ってくる蒸気機関車。立ち上がる煙が構内に溢れて
行く様子が描かれている。
モネは、構内でイーゼルを建てて12点の連作を製作している。
フランスで鉄道建設が始まったのは19世紀中頃、急速な近代化を迎えていたこの時代「鉄道」は
「近代化の象徴」であった。
  世界中の人がこの絵に酔った「印象日の出」
古典的作風が画壇の中心であった時代、淡い光の中で船がぼんやりとシルエットで浮かび
上がる「印象日の出」は、当時激しいブーイングで迎えられたらしい。だが、この印象派の名称
が生まれるきっかけになった作品を比喩する意味でつけられた「印象派」絵画が、美術史上、
燦然と輝く作品になるだろうとは、誰1人想像しなかった。

「印象日の出」のモデルとなったノルマンディ地方の「ル・アーヴルの港」。サン・ラザール駅から
ノルマンディーに向かう列車に乗ってモネの風景をたどってみよう。亦、パリのマルモッタン
美術館の「雪の中の列車」も興味深い。彼が、サン・ラザール駅を描いていた頃パリ郊外の
アルジャントゥイユに住んでいた。
その駅を描いた作品が「雪の中の列車」。パリからRER郊外地下鉄線で15分ほどの場所である。
モネが晩年をすごしたジヴェルニーは、サン・ラザール駅を出発しセーヌ川に平行して
ノルマンディーへと向かう。

モネもルノワールもシスレーもセーヌ川流域に居を構え多くの作品を制作した。
うつろ行く光の中の表情、川の水の揺らめきをキャンバスの中に再現した。
約1時間でヴェルノンに到着すると連絡バスでモネの家がある小さなジヴェルニー駅まで
15分ほど。
モネがジヴェルニーの家と庭を購入したのは1890年。1926年に亡くなるまでこの家に住み、
経済的に余裕が出来た頃エプト川から水を引き広大な睡蓮の池に太鼓橋のかかる日本風の
池を作った。晩年、大作「睡蓮」(パリ・オランジュリー美術館)を描きあげた。

時間があれば、大聖堂の町「ルーアン」まで足を伸ばしてみよう!
ルーアンは、ジャンヌダルクが処刑された町として知られるセーヌの湖畔の町。
モネの連作「ノートルダム大聖堂」(パリ・オルセー美術館)の舞台!
時間によって刻々と変わる光の変化を大聖堂の正面から描いている。


モネの足跡を巡る列車の旅「印象日の出」が描かれた港町「ル・アーヴル」~バスを利用して
モネが、描く事を学んだ「オンフルール」やモデルにした「エトルア」への旅もおすすめである!