NO.196.マルセイユ発コート・ブルー線[景勝路線『列車の車窓から』 marseille→Miramas]
マルセイユ経由コート・ブルー線
マルセイユ発景勝路線『列車の車窓から』 marseille→Miramas
港町マルセイユ・サン・シャルル駅は、1日300本を越す列車が
発着し4万人の乗降客で賑わい構内は人の渦で切符売り場は長蛇の
列が常である。※ここでは、懐中物や荷物に気をつけよう!
そんな駅の一番奥のN番線ホームの近くは、ひっそりしている。
ここから出るミラマス行きのローカル列車が南仏で最も美しい海岸線
を走る景勝列車だということは、あまり知られていない。
列車に乗ったら『左の窓側席』に座ろう。駅を出発した列車は、庶民の
町の郊外の風景の中を走り、巨大な団地や,工場、倉庫などの反詩的な
風景を走りまもなく車窓に青い海が見えてくる。マルセイユ湾だ。
海の向こう側は、マルセイユの町並み、海の真ん中には、白い石灰岩の
イフ島がうかんでいる。
マルセイユ出発後、10分ほどでレスタック駅に到着するが、この町は
赤い屋根と青い海のコントラストが美しい。
19世紀末頃からマルセイユ湾の風景に引惹かれた、セザンヌ、ブラック、
デユフィら画家達が滞在してテラスから見える風景を描いた。
この「風景画」を現在では、高台を走る列車の窓から当時そのままの姿で
見ることが出来る。
レスタックから先の15分程がこのコートブルー線のハイライト!
白い石灰岩に囲まれた入江や白浜の浜辺、絵のように可愛らしい漁港が
次々と現れ、一時も目が離せない。
開発が進んで俗化してしまったコート・ダジュールに比べてこの海岸線は、
幸運にも昔の魅力を保っていて地元の方々ばかりで観光客の姿は、
見当たらないのが亦、良い!
昼食を食べるなら、「カリ・ル・ルエ駅」で降り松林の中を10分ほど歩き
港を取り囲む通り沿いに魚介類レストランが並んでいる!
新鮮でボリュームがあって安くて上手いと3拍子そろっているので
「カリ・ル・ルエでは、海の幸は、お薦めである」!
カリ・ル・ルエ駅~ミラマス迄は、石油コンビナートのど真ん中を走るので
車窓風景は期待できないが、途中の「マルティーグ」は、地中海とベール湖を
結ぶ運河の中に浮かぶ小さな島で是非、下車して楽しんで欲しい。
運河の水の色に色鮮やかにパステル画のように家々が映える町並みは、
一見の価値がある!