NO.191.フランドル美術を楽しむ…
フランドル美術を楽しむ…
ベルギー美術というと15~16世紀初期のフランドル美術が思い浮かぶ。
ベルギー南東部のリエージュには、カロリン朝や次のロマネスク時代の
美術遺品も多く残され、中でも聖バルテルミー教会の「聖礼盤」は重要な
作品だ。
15世紀にフラマン(フランドル)地方がブルゴニュー公国領になると、
初期フランドル美術が花開き、亦15世紀前後にはヒエロニムス・ボスが
16世紀には奇想画家「ピーテル・ブリューゲル(父)が活躍した。
17世紀には、バロックの時代となりフランドル絵画の中核をなし
代表する画家は、ピーテル・パウル・リューベンス(ルーベンス)である。
小説[フランダースの犬]に登場する「キリストの昇架」と「キリストの
降架」の絵画は、アントウェルペン(アントワープ)のノートルダム大聖堂
に収蔵されている。アントワープに行ったら絶対この作品だけは
見ておくことをお薦めする。
リューベンスは、ヨーロッパの王侯貴族の注文に応じて作品を描いて
いたのでブリュセルの王立美術館にも大作が多く展示されている。
リューベンスの後、アンソニー・ヴァン・ダイクやヨルダーンスらが活躍した。
19世紀末期、ベルギーはパリと共に象徴主義やアールヌーヴォー運動の
中心になり、オステンドの「ジェームス・アンソール」は、ムンク、ゴッホと共に表現主義の先駆的画家として知られている。
20世紀には、シュルレアリスムのルネ・マグレットやポール・デルヴォーが
日常的な現実の世界を一瞬にして夢や非日常的な世界へとじらす作風は、
見るものを絶えず驚かせる!
フランドル美術が好きな方は、アムステルダムの国立美術館や、パリの
オルセー美術館、ブリュセルの王立美術館、ウィーン美術史美術館、
アルテ・ピナコテーク等の美術館で大いに楽しんで見て欲しい!