NO.189.シチリアの田舎に行こう!シチリア最南端の小漁村で「ペスカ・ツーリズモ」

シチリアの田舎に行こう!
シチリア最南端の小漁村で「ペスカ・ツーリズモ」


イタリアの田舎の農園に滞在してスローフードを味わう「アグリツーリズモ」の海版といえるのが
「ペスカ・ツーリズモ」。 ペスカとは、イタリア語で「漁」を意味し漁師さん宅に滞在して漁に出たり、
漁船に乗せてもらったり、新鮮なお魚料理を楽しむ海岸版の着地型旅行だ!
シチリアでは、トラパーニ沖に浮かぶエガティ諸島もマグロ漁村やメッシーナ付近のカジキ
マグロ漁村で新しい人気が出てきている。
今回紹介するのは、シチリア最南端の小さな漁村「ボルトバーロ・ディ・カポ・パッセロ
portopalo di Capo Passeroの「ペスカ・ツーリズモの宿」人口 3,000人程の小さな港町。
岬の沖合いには、イオニア海と地中海の海流がせめぎあい、海底には窪地に多くの魚が集まる。
カポ(岬)とバッセロ(通る)の地名通り岬一帯は、回遊魚や渡り鳥の中継地点である。
特に、マグロの通り道として有名、イスラエル原産のプチトマト「パキーノ種」の山地としても
知られている。

普段漁師達は、小魚や海老を取っているが、5~9月伝統的なマグロの追い込み漁「マタンツァ」に
参加する。40人の漁師が5隻の船に分かれて出漁し、チャローマと言う歌で息を合わせながら
陸に向かってマグロを仕掛けた定置網に追い込んでいく。漁の成果は日本と同じ「大漁旗」。
8匹以下なら「黒旗」、18匹で「白旗」、28匹以上なら「上着(旗を掲げる暇がないから)」。
村の沿岸一帯の漁場は、「ブルーの男爵家の領地」、漁民は、男爵の海の恩恵に預かり、
漁民の働きが男爵家の生計を支えている。

男爵家別邸「ヴィラ・ブルーノ・ディ・ベルモンテ」(3ツ星★★★)
ヴィラに改装され全室4部屋。うち2室は、イオニア海ビューでテラスを心地よい風が
吹き抜ける。
ホテルの朝食以外に芝生の庭でバーベキューや村のレストランでの食事、自炊も出来る。
イタリアでは、魚介を、「フルッタ・ディ・マーレ(海のフルーツ)」と呼ぶ。
高級食材なので、日本のように魚を常食にする人は少ない。
魚は、たまに外で食べるご馳走なのだ!村には、漁師が集うバールや海鮮レストランもあり
メニューも充実している。
ただし、「ペスカ・ツーリズモ」に多大の期待してはいけない。あくまで、漁師体験ツアーだから
一般の旅行と一緒には出来ない。漁師暮らしと考えて頂きたい!
少々コストはかかるが、船をチャーターしてマタンツァを間近で見たり、洋上でお食事を楽しんだり、
真っ青なイオニア海で泳いだり、のんびりした漁村での「ペスカ・ツーリズモ」を楽しむ方に
おすすめしたい…