225.『 ロミオとジュリエットの町 ヴェローナ 』
『 ロミオとジュリエットの町 ヴェローナ 』
今年英国では、シェイクスピア生誕450年を迎える。
彼の作品の中でも人気の『ロミオとジュリエット』(または『ロメオと
ジュリエット』Romeo and Juliet )は、ギリシア神話の『ピュラモス
とティスベ』(『桑の木』)を元にしたイングランドの劇作家ウィリアム・
シェイクスピアによる戯曲である。
舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。当時のヴェローナは、教皇派と
皇帝派(ゲルフとギベリン、英: Guelphs and Ghibellines)に分かれて熾烈な争いが
繰り広げられ皇帝派(ギベリン、英: Ghibellines)のモンタギュー家(モンテッキ家)と
教皇派(ゲルフ、英: Guelphs)のキャピュレット家(カプレーティ家)も、血で血を洗う
抗争を繰り返すことに巻込まれていた時代背景がある。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、気晴らしにと、友人達とキャピュレット家のパーティに
忍び込んで、キャピュレット家の一人娘ジュリエットに出会い、たちまち二人は恋におちる。
二人は修道僧ロレンスの元で秘かに結婚。ロレンスは二人の結婚が、両家の争いに
終止符を打つきっかけになる事を期待する。
しかし、その直後、ロミオは友人と共に街頭での争いに巻き込まれ、親友・マキューシオを
殺されたことに逆上したロミオは、キャピュレット夫人の甥ティボルトを殺してしまう。
ヴェローナの大公エスカラスは、ロミオを追放の罪に処する。一方、キャピュレットは
悲しみにくれるジュリエットに、大公の親戚のパリスと結婚する事を命じる。
ジュリエットに助けを求められたロレンスは、彼女をロミオに添わせるべく、仮死の毒を
使った計略を立てる。しかし、この計画は追放されていたロミオにうまく伝わらなかった。
そのため、ジュリエットが死んだと思ったロミオは、彼女の墓で毒を飲んで死に、その直後に
仮死状態から目覚めたジュリエットも、ロミオの短剣で後を追う。事の真相を知って悲嘆に
暮れる両家は、ついに和解し めでたしめでたしで終わる。
このロメオとジュリエッタの町「ヴェローナ」では、彼らの家や墓が残り
どのガイドブックでも かならずと言ってよいほど紹介されている。でも実際は、
ロメオの家を見学しようという人はあまりいない。
不思議なほど、だれもが ジュリエットの家ばかりに足を運ぶようだ。
主人公の名前ジュリエット ( Juliet ) は、7月のJulyにかけているのでは、
という説もある。現在、ヴェローナは愛の巡礼地と言われていて、
ジュリエットの家は博物館になっている.
ヴェローナのジュリエットのバルコニー ヴェローナのジュリエットの銅像
恋愛成就するには?
※そこにあるジュリエット像の右の胸を触ると恋が成就されるとか、
壁に落書きをすると恋の願いがかなうとか? でも、彼らの家へも訪れぬうちに
町の中心地のカッペッロ道りにあるお菓子屋さんへ直行する観光客が多い。
お目当ては、ジュリエットゆかりのお菓子。その名も「バーチ・ディ・
ジュリエッタ(ジュリエッタのキス)」。それは、チョコレート風味のきいた
大人の味、そしてあま~く清楚な味がする。「これが町の銘菓」と言って店の
人が薦めてくれたのは、ふんわりと山型に焼きあがったケーキともパンとも
見分けがつかない「パンドーロ」。
Juliet’s Kisses パンドーロ
もともとは、クリスマスのケーキらしいが 噛まなくても舌に溶けていく
ソフトな味わいである!銘菓は、町を語る。 大人の香りを漂わせながらも
清楚で愛くるしいのは、そのまま街の印象にもつながった。ジュリエットの
家に代表される朽ちかけたレンガ色の建物は、この町のあちこちにみられ、
アンティークな印象が強い。でも古臭さいという印象はない。
むしろ長い年月の間にやさしさがにじみだされた町並みに芸術的な感銘を
受けるほどだ。
例えば、シニョーリ広場の中央にはダンテの像が立ち、四方をぐるりと
見渡せば、中世に建てられた建物の一群がまるで市場のように連なっている。
市庁舎、裁判所、コムーネ宮殿…その連なりの印象は、とても重厚であるが、
ここを訪れる人の姿は絶えない。広場の一角のカフェの風景を見るとほっと
した気持ちにさせてくれる。
芸術的な気品と誰をも向かいいれるおおらかな顔を持つ。
これぞ広場の原点と言う気がしてくる。その広場で」もう一度、
ジュリエットのキスを食べた。ひょっとしてこの広場にもジュリエットは、
キスを投げかけたかもしれない、と想像をめぐらしながら…